DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    2期687年3月
    2007-07-10 Tue 11:43
    黒眼の塔での戦闘をこなし、外での野営の準備をしていた俺の元に
    1人の青年が訪れた。

    「・・・まずはおめでとう。」

    「・・・!?」

    誰だろうか。
    ・・・初めて見る顔だ。
    だが、その青年が今まで数多くの戦いをくぐり抜けてきた、
    「同業者」
    であるということは、一目で分かった。

    「・・・俺に、何かご用件でしょうか?」



    「戦いに勝利した今の貴方こそが紛れも無く勝者だ。
    そして勝利の先にある新たな戦いに挑み勝利することこそが勝者の義務だ。

    次の勝利のためにこっちへおいで。貴方で12人目だから。」

    「・・・!?」

    戸惑う俺に背を向け、その場を去って行く青年。
    ・・・勝利を祝ってくれている・・・?
    彼はヴォルフさんたちとの戦いを、見ていたということか?

    そして・・・
    次の、勝利?


    頭の中の混乱を鎮め、落ち着いて考える。
    彼は・・・来い、と言った。
    そして、俺が12人目だと。


    ・・・何処へ?


    ・・・慌てて、事情を詳しく聞こうと、去っていく彼を追いかける。
    その時。

    「はーい。こんにちは。・・・何慌てちゃってるのよ?」

    「・・・!!貴方は・・・」

    去って行く彼と、追う俺の間に、よく見慣れたあの男が立ち塞がった。
    ・・・ニヤリと不敵な、いつも通りの笑みを浮かべている。

    「・・・アンタか」

    「あら、ひどいわねえ。いつも礼儀正しい士皇くんが
     アンタ呼ばわりだなんて!」

    「・・・ちょっと人を追っているものでね。
     そこをどいて頂けませんか?」

    「それがそうはいかないのよねえ。
     だって、士皇くんが追いかけてるあの人から、
     お手紙預かってるんだもん」

    「・・・何だって?」

    奪うように新聞記者からその手紙を受け取る。
    読んでみると・・・そこには集合場所が書いてあった。

    「ここに・・・行けばいいんですね?」

    「そう。間違えないようにね」

    「・・・」

    とにかく、急いで行かなければいけない気がした。
    どういうことだろうか。
    ・・・まずは、リグや柏風、コアラ、TG、紅輝に話をしてこなければ。

    俺は新聞記者をその場に置き去り、仲間の元へ戻った。
    そして、手短に話をすると、了承を得、荷物を預けて再び外へ出た。

    (・・・どうしたんだろう・・・この胸騒ぎは)

    (ひょっとして、DFのメンバーが関わっているのか・・・?
     いや・・・)

    (それとも、全く別の組織が・・・?)


    手紙に書いてあった通りに、道を移動していると・・・
    ふと、人の気配を感じた。

    (・・・)

    警戒しつつ、近付いていくと・・・そこには。

    「・・・!マヤちゃん・・・!!」

    一体どうしたんだろう。
    もうすっかり暗くなった街道に、彼女が立ち尽くしていた。

    「・・・他の、仲間は?」

    「・・・」

    ただ、黙って彼女は俺の事を見つめている。
    とにかく、ここは危険だから・・・と、彼女に近付いた時だった。

    「・・・しおーおにーちゃん、一緒に来てくれるよね?」

    「・・・?」

    「待ってるから」

    それだけだった。
    ただ、マヤちゃんは、そう言って、俺の事をしばらく見つめ・・・
    街道の横の、森の中へと立ち去って行った。

    よくわからなかったが・・・とにかく今は、
    この手紙に書かれた集合場所に俺も行くしかない。
    マヤちゃんの事が気になりながらも、俺はあの青年のあとを追いかけた。

    そして・・・1時間程歩いた頃だろうか。
    俺は、彼らの集まっている場所へと辿り着いた。

    「ようこそ。俺はデュラン」

    「・・・初めまして」

    ・・・薄暗い暗がりの中で焚かれる炎に、ぼうっと浮かび上がる
    多数の・・・同業者たち。

    (・・・あの人は・・・!!)

    知っている人物が何人もいる。向こうもすぐに気が付き、目を合わせる。
    が、普段はここにいる全員が、違う街道、違う戦地で戦っているメンバーだ。

    どういうことなんだろう。
    この全ての「人斬り」たちを集めたのが・・・この青年。
    デュランさんだというのだろうか。

    「よく集まってくれたね。
     
     ・・・これより、ハロウィンパーティを包囲。
     「お祭り」を開催する」

    ・・・「ハロウィンパーティ」という名前を聞き、俺は驚愕する。

    彼らは、この大陸で最も賞金額の高い、マヤちゃんたち
    「ハロウィンパーティ」を倒す為に集まった・・・
    「賞金稼ぎ」たち。

    そして、そのメンバーに・・・俺も。

    「・・・」

    「どうしたんですか?」


    ・・・デュランさんの問いかけに、俺は何も答えられなかった。
    何故だろう。
    確かに人斬りにとって、賞金の高い同業者との戦いは願っても無い話だ。

    だが・・・
    マヤちゃんの瞳が、俺の脳裏に焼き付いて離れなかった。



    結局・・・
    俺はデュランさんたちの集まりから、飛び出してしまった。

    斬り合い、または同じ人斬りとして、
    気心知れる仲間になるはずだった人たちの誘いを断り・・・
    俺の足は、マヤちゃんたちが滞在しているであろう街の方向へと
    向かっていた。

    俺は、何をしようとしているんだ?

    マヤちゃんの力になりたい、と思っている・・・?


    おかしな話だ。
    マヤちゃんとは親しいとはいえ、俺はデスフラッター。
    彼女は・・・デスフラッター対策本部の
    キャプテン・アストローナの代理を務める、DF対抗組織の人間。

    ・・・そんな俺たちが、手を組んだりしたら・・・



    恐らくDFは黙ってはいないだろう。

    それに・・・
    俺が加わる事により、マヤちゃんの立場が不利なものに
    なってしまうかも知れない。

    ・・・だが・・・




    (ふと、士皇の足が止まり、その場に立ち尽くす。
    そして、ゆっくりと顔を上げるとニヤリと微笑みを浮かべ)


    ・・・バカなお兄様。

    その選択が、どれほどの新たな苦しみを・・・
    憎しみを生み出すか、まだわかっていないのね。


    貴方はDFなんだから、あの女の子を斬るべきだったのよ?
    彼女は敵対者。
    永遠に交わる事は無い。

    それなのに貴方は、そうやって、情に流されて・・・




    そして、自らを苦しみの中に投げ出すのね。

    (くくっ嘲るように笑い)

    ・・・いいわ。
    どんどんそうやって、自分の首を絞めて行く事ね。
    そうすれば・・・

    貴方の体は、今に抜け殻のようになる。
    その時こそ・・・





    「マヤちゃん」

    いつの間にか・・・
    俺はマヤちゃんたちハロウィンパーティの野営場所に
    辿り着いていた。

    「・・・あ、あれ?一体どうしたんだろう。
     ここは・・・??」

    せっかく来たのに、面と向かうと・・・
    何と言ったら良いのかわからない。
    とりあえず、道に迷った振りをしてマヤちゃんの方へ歩み寄った。

    これからのことは、これから考えよう。

    とにかく・・・今はここで戦うしか無い。
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