DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    2期686年9月
    2007-05-31 Thu 22:41
    今、俺たちが戦っている第一砦。

    ・・・その砦の周辺に、ヴォルフさんが戦っているということは知っていた。
    他にも、俺が親しくしている人たちが滞在していることも知っていたし、
    俺たちが「人斬り」という生業を持っている以上、
    いつか、その人々と拳を交える事も、覚悟はしていた。


    そんなことをふと、考えていると・・・
    俺はある男の事を思い出していた。


    その男は、「銀色の狼」だった。
    俺よりも20センチほども背の高い・・・大きな姿がいつまでも印象に残っている。

    そして、銀色の髪に、赤い瞳。
    僧侶の姿をしていたその男の正体は・・・ヴァンパイア。
    ・・・人の世界では「妖魔」とも恐れられている存在。


    本当ならば、お互いの存在を許し合えない、種族。
    俺は天界の神獣の力を借り、魔を滅する「退魔業」を生業とした「退魔師」。
    彼は・・・魔界の力を操り、天界に反する宿命を背負った「妖魔」。

    だが・・・
    俺たちは何故だか気が合った。

    妖魔とは思えない、開けっぴろげで、おおらかな彼の言動。
    俺も、そんな彼の前では、何故か本音をさらけ出せた。
    ・・・それは、きっと、端から見るとあまりにも奇妙な関係だったに違いない。

    妖魔と、退魔師が、仲良く語り合っているのだから。


    ・・・妹の風火がアストローナに、俺を追ってきた時も
    俺はまず、妹を彼に紹介した。

    妹は幼い頃に妖魔に・・・惨い目に遭わされた事があり
    そのせいで妖魔に対しては人一倍、嫌悪感と恐怖感を抱いていたのだが・・・
    彼と渋々旅をしているうちに、いつの間にやら彼に対して
    嫌悪感どころか、信頼感を抱くようになっていた。

    俺はその事がとても嬉しかったし、彼と一緒に風火を旅させて
    本当に良かったと思っていた。


    だが・・・
    その結末はあまりにも酷いものだった。




    銀色に輝く狼は、もうどこにもいない。


    彼は、俺との約束・・・
    「妖魔と退魔師として、真剣に戦い合う」
    という約束を、残したまま・・・

    何処かの地へ去って行ってしまった。


    そして、風火も、また・・・



    一時期は、それを恨んだ事もあった。
    地の果てまでも追い求め、彼との決着を着けようと思った事もあった。


    だが・・・
    出来ない。
    出来るはずが無い。


    俺は、彼の事を憎めないのだから。




    (そういえば・・・ヴォルフさん。
     
     ちょっと・・・
     あの男に似てるかも)


    ふと、ヴォルフさんの事が思い出された。

    (・・・負けられないな)



    人斬りとしても。
    他にもいろんな、意味で。

    とっくに夕暮れは過ぎていたが、俺は槍を持って外へ出た。

    (体を動かしていないと、心臓に悪い・・・)

    ふと。
    宿の外からコアラや、柏風の声が聞こえた。
    どうやらみんな、同じ気持ちだったらしい。

    何となくホッとしながら、俺は柏風たちの元へ走った。




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