DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    2期686年3月
    2007-04-24 Tue 12:14
    その日・・・

    既に俺は、朝から意識が朦朧としている状態だった。
    こういう時は必ず風火が出現する。

    近付いては遠ざかる、意識の波。
    ゆらゆらとその感覚に身を委ねてしまってはいけない・・・
    そう知りつつも抗えない感覚は俺を飲み込んでいく。



    「・・・ふう」

    意識の波が途絶えた。
    が、代わりに俺自身の感覚は深い土の底に埋められたような・・・
    深い海の底に沈められたような、暗い世界に閉ざされる。

    「ふん・・・何度奪っても、慣れない体ね」

    俺の口をついて出る、風火の言葉が頭に響く。

    「まあいいわ。・・・何度もモンスターの血を浴びていれば
     そのうち馴染んでくるし」


    女性らしい仕草で髪の毛をさらりと手で流すと、
    「俺」はそのまま外へ歩き出した。

    「・・・父さん・・・いや」

    士凰が背後から声をかけるが、彼はすぐに変化に気付いたらしい。

    「・・・あんたは・・・」

    「あら。相変わらず良い男ね。・・・「士皇」よりも
     良い気を持っているわ」

    「・・・」

    「ほらほら、良い男がそんなに恐い顔で睨んじゃダメよ?
     ・・・仮にも今は、「女の子」なんだから」

    「ふざけるのもいい加減にして欲しいな。
     ・・・それは、父の体だ。あんたの体じゃない」

    「フフ・・・じゃあ、どうだっていうの?
     力づくで、アタシを追い出してみる?」

    「・・・」

    「出来ないわよねえ?
     だって、それは禁じられているもの。
     ・・・貴方の優しいお父様が、貴方にそう
     きつく命じているんだものね?」

    「・・・私はあんたと、直接会った事は無い・・・
     が、その頃のあんたを知っていたなら
     こんなにもあんたの事を憎まずに済んだのかな・・・」

    士凰が冷たい瞳で「風火」を睨みつけ、
    静かに身構える。

    「・・・「お父様」との約束を破る気?」

    「・・・」

    「出来るの?貴方に」

    「・・・っ」

    ぎりっと唇をきつく噛み締めた為、士凰の口元から
    血が滲んだのがわかった。

    「・・・じゃあね。アタシは用があるの」

    拳を握り締めて黙って俯く士凰を尻目に、
    俺は外へと歩き出した。



    「待たせたわね」

    そこにいたのは・・・
    黒い羽根を持ち、木陰に佇む、一人の少女。
    細い指先に持った黒い羽根と、少女の着ている黒いドレスが
    まるで何かの魔法のように映っている。

    「・・・貴方が、ガビィ?」

    「・・・」

    「話は聞いているわ。・・・たまには一緒に
     「斬る」のも一興、ってことね」
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