DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    深層意識
    2007-04-12 Thu 13:02
    黒く、大きな何かが・・・
    俺の背後から覆いかぶさってくる。


     (これは・・・?)


    気が付くと俺はいつの間にか、その黒い大きなものに
    体の自由を奪われていた。
    そして、目の前には・・・


    (ふ・・・風火!!)

    それは間違いなく、風火。
    外見こそ、俺と同じ姿だったが・・・中身は紛れも無い。

    指を唇に這わせて、少し笑みを浮かべる。特徴的な笑い方。

    「俺」の姿をした風火は、そのまま背を向けて
    俺のいる方向とは逆の方向へゆっくりと歩んで行く。


    (ま・・・待ってくれ!)

    彼女が俺の制止を聞くはずがない。
    だが俺は、それでも必死に彼女に呼びかけた。

    (風火!お願いだ。もうやめてくれ!
     俺は・・・

     お前が再び血に染まる姿を、俺はもう見たくない!)


    ふと、彼女の足が止まる。
    が、ゆっくり振り返った彼女の顔には・・・
    やはり先ほどと変わらない
    俺を嘲るかのような笑みが浮かんでいた。

    「・・・・・・・くせに」

    (・・・!?)


    言い終わった風火の右手が、こちらに向けられると同時だった。

    (・・・っ!!うああっ・・・!!)

    背後から俺を押さえつけていた黒い物体が、
    さらにもの凄い重量でのしかかってきた。
    耐えられず、その場にうつぶせのような形で倒れ込む。

    (・・・ぐ・・・うっ・・・!!)

    押し潰され、声も出ない。

    「・・・それは、貴方の、罪」

    (罪・・・!?)

    風火の表情から笑みが消える。
    その表情は・・・暗く、陰惨だった。

    「たくさん、人を斬ったんでしょう?
     そして・・・たくさんの人を不幸にした」

    (・・・Liesaの・・・目を、治す為だった・・・!)

    「あははは・・・!最低ね!
     自分の個人的な都合で、人を斬っておいて!
     そして、今になってその罪で押し潰されるなんて!

     割り切ったって言ってたのは、嘘だったの?
     割り切ったのであれば、あなたが罪悪感に
     悩まされる事は有り得ないんじゃないの?」

    (・・・俺は・・・Liesaの為に、斬った・・・
     その事で後悔は・・・していない!)

    「じゃあ、その罪は・・・何よ!」



    「ぐわあああっ!!」

    一気に黒い塊が変化し・・・俺の両腕を刺し貫いた。

    「ああ・・・!!」

    地面と、俺の腕を貫いている黒い塊に挟まれ
    俺は完全に身動きが取れなくなる。

    痛みが・・・熱を帯びる。
    どくんどくんと脈打つごとに、血が流れている。
    全身から血の気が引いて行く感覚がするのに・・・
    両腕だけが激しく熱い。

    地面に顔を擦り付けたまま、俺は目で風火を見上げた。

    俺の顔をした・・・
    俺の姿をした、風火。


    (アタシを、殺したこと・・・
     まだ割り切れていないんじゃないの・・・?)

    「・・・!?」

    そんな。
    そんなことは、ないはずだ。
    俺は、風火が人間の心を・・・
    愛情を失っていく姿を見るくらいなら・・・
    死なせてあげたいと思った。

    だからこそ・・・
    だからこそ、あの時・・・!!


    「ああああ・・・!!」

    黒い塊が、背中を貫いた。
    叫び声と共に・・・俺は真っ赤な血を吐き出した。






    「!?」

    「・・・父さん!!」

    額から、ひんやりとした布が落ちる。

    「・・・」

    「大丈夫かい、父さん・・・随分、うなされていた」

    士凰と留歌が、目の前で心配そうに
    様子を伺っていた。

    「・・・すまない・・・」

    「昨夜、いきなり熱を出して・・・そのまま
     倒れていたんだ。
     夜の間、ずっと・・・苦しそうにうめいていたから、
     留歌と2人で看病していた」

    「・・・」

    あまりにも夢の感覚が生々し過ぎて、
    声が出ない。
    夢の世界から、感覚がこの場所に戻るまで・・・
    俺はただ黙っていた。

    (俺が風火を、殺してしまった事実・・・)

    風火が言った事を、ゆっくりと思い出してみる。
    彼女は確かにそう言った。

    ・・・自分を殺した事を、
    まだ割り切れていないのではないか、と。


    だが、風火は俺を憎んでいるはずだ。
    いや、本当に憎んでいるのか?
    憎んでいないとしたら、どうして俺の体を奪って
    復活を目論んでいる?
    やはり、俺を憎んでいるとしか考えられない・・・


    「・・・」

    「父さん・・・もうちょっと、休むかい?」

    「・・・士凰・・・いや、もう起きるよ。
     またうなされるのはごめんだ」

    苦笑しながら、2人に礼を言い手早く着替える。
    外は眩しい光に溢れていた。

    (・・・いつから、こんなに・・・

     外の光が眩しいと思うように
     なったんだろうか・・・)

    止めたそうな様子の2人を部屋に残し、
    俺はドアを開け、外に出る。
    体が重かったが、そんな事はもうどうでも良くなっていた。

    ・・・手にした「黒い羽根」のあしらわれた槍を持ち
    重い体を引き摺るようにして・・・
    俺はただ、ふらふらと鍛錬場へと向かっていた。
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