DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    虚と実
    2007-01-09 Tue 00:34
    (・・・言えない・・・)

    重傷を負った父や、父の仲間たちが戻って来たのは
    とっくに深夜を回った頃だった。

    斬りかかった相手に突如として奇襲を受け、
    そのまま危うく命を落としかけたらしいのだが・・・
    その後モンスターから攻撃を受ける事を承知で
    街道から強行軍で戻って来たらしい。
    (当然、モンスターたちの攻撃は受けていたのだが)


    全身傷だらけで・・・
    苦しげに横たわる父の姿を尻目に、
    私は部屋を出る。

    (・・・今の父に・・・
     祖母の訃報を伝える事は、出来ない・・・)


    祖母・・・
    「風雷(フォンレイ)」という名の、まだ一度も見た事の無い
    「父」の「母」にあたる人。

    その訃報を受け取ったのは、今朝方だった。
    祖母の夫だという、「沢神士狼」という人物からの
    手紙を預かり、彼の「式神」とでも言うのだろうか。
    一羽の金色の鳩が私の元へと訪れた。

    金色の鳩は、私の脳裏に直接語りかける。

    (・・・士皇よ。
     母が死んだ。

     ・・・だが、戻る必要は無い。
     私は永遠にこの地で、母の骸を守っていく。

     お前は、お前の道を歩め。)

    -----------------------------------

    (・・・士凰・・・
     気を遣ったりして・・・)

    目を閉じたまま、士凰と留歌が部屋を出る気配を感じ取り
    俺は少しだけ・・・
    2人の気持ちが嬉しくなった。

    今の俺の状態を案じて、あえて今日届いた父からの報を
    知らせまいとする2人。


    (ありがとう)

    心の中で、俺はそう伝えた。


    そして・・・
    それと同時に、俺は部屋の隅に立つ
    一人の女性に心を飛ばした。

    (・・・母さん)



    若く、そして凛々しく白き光を放つ鎧を身にまとった
    神々しい姿・・・
    が、それを見まごうはずが無い。

    その優しい微笑みは、自分を育ててくれた
    大切な女性のそのままの笑顔であった。

    (最期に・・・来てくれたんだね)

    全てを悟ったかのように・・・
    別れを惜しむかのように、浮かべた
    限りなく優しい微笑み。

    ・・・「母であった」その人は、ゆっくりと近付いて来た。

    そして、士皇の頬に、手を添えた。


    (風火は・・・
     この、黄泉の入り口に、彼女はいない)

    (・・・!?)

    一瞬悲しそうな表情を浮かべ、母は告げる。
    そう。
    母であったその神霊は、先に旅立ったはずの
    愛しい娘の姿を・・・真っ先に探していたのだ。


    (・・・)

    いるはずが無い。

    風火の・・・
    彼女の魂は、恨みを抱えたまま
    この世界に留まっているのだから。


    だが、その後に続けられた「神霊」からの言葉は
    俺が思っていた「答え」とは
    異なるものだった。


    (・・・彼女が、何の為に
     その世界に留まっているのか・・・

     
     考えなさい。士皇。

     貴方は現実から目を逸らす事無く・・・



     ・・・彼女の魂に、真に触れなければならない)





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