DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    懐疑
    2006-10-19 Thu 22:25
    「仮面の男」と接触して以来・・・士凰の様子がおかしい。

    昼間は俺と同じ修行を、文句一つ言わずにこなすようになった。
    (以前は自分の好む修行しかやらない主義だったのだが)
    そして、妹の留歌には東方の、主に妖魔に関する資料を日々集めさせている。


    昼の修行をこなした後、宿に戻り・・・
    そして留歌が集めて来た資料に、くまなく目を通す。
    こちらへ来てからの士凰の変わりように、正直俺は戸惑っていた。

    やはり・・・

    あの、「仮面の男」に出逢ったせいか。


    「士凰・・・そろそろ休憩したらどうだ」
    「・・・ん」

    と、返事をしつつも目はまだ資料の書に釘付けの士凰。

    「あまり根を詰め過ぎても、煮詰まるだけだぞ」
    「・・・ああ。
     けれど俺は、父さんの代わりにあの小娘の退魔を
     引き受けねばならないからな」
    「・・・昴さんの事か」
    「・・・」

    パタンと書を閉じる。

    「あの事なら大丈夫だと言ったはずだ。
     ・・・士凰は何とか、留歌と2人でぬいぐるみの方の情報収集に当たってくれ。
     俺は・・・やはり、彼女の退魔を引き受ける」

    ・・・その言葉を遮るように、士凰がこちらを向き、こう返した。

    「ダメだ」
    「・・・士凰」
    「ダメだ。
     何度も言っているが・・・父さん。
     俺は本格的な退魔の業は、確かに経験が少ない。だが・・・
     今回の退魔は、俺がやるべきだ。
     俺がやるしかない、と思っている」
    「何故だ、どうして・・・そこまで」
    「・・・それは・・・」

    この話になると、いつもそこで・・・士凰の話は途切れる。


    「・・・話して欲しい、士凰。
     何故俺が今回、彼女の退魔を引き受ける事を、そこまで拒むのか」

    重苦しい沈黙が続く。

    「・・・」
    「・・・士凰」
    「・・・すまない、父さん」

    苦しげに眉間をひそめ、席を立ち外へ飛び出した士凰。
    ・・・俺は、追えなかった。

    ただ・・・彼の遠ざかる背中を、見送る事しか出来なかった。


    (何故だ・・・)
    (わからない・・・何が、あの子をそこまで不安にさせるんだ・・・)

    「くっ・・・!」

    一瞬。
    考えを深く巡らせようとしたその瞬間。

    俺の頭と心臓に・・・鈍い・・・だが重い痛みが走った。

    「・・・ま、また・・・」

    壁にもたれかかる。
    息を整え、痛みを逃す。
    ケガや・・・内部に異常を起こしたような、そんな痛みではないのだ。
    だが、Liesaと別れ、再び旅を始めてから、何度かこういう事が起きていた。

    (まさか・・・)

    この体調の変化を、士凰は知っているのか?
    いや・・・
    違う。

    体調の変化を、彼が見抜いた訳ではない。
    この痛みは、一人の時にしか起きていない。

    もっと、違う・・・
    何かを知ってしまったのだ。

    俺が自覚しない、していない、何かを・・・彼は知ってしまい。
    そしてその「何か」に怯え、ひたすら俺から退魔の業を遠ざけようとしている。

    「・・・」

    考えが散漫になって来た瞬間、痛みはウソのように消え失せる。
    一体・・・
    これは何なのだ。

    俺の体の中で・・・何が起こり、そして士凰は何を知っているというのだ。




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