DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    3期後日談(1)
    2011-04-29 Fri 17:13

    紫草の実家である、寺の近所にある甘味屋の奥座敷。

    お茶とお菓子を注文し、それらが届くと同時に…
    俺は正面に座っていた1人の男性に、話を切り出した。


    「紫草を………妻に迎えたいと思っています」




    しばらくの沈黙。

    が…
    思った以上に早く、その返事は返ってきた。


    「まぁ、手紙の返事にも書いたが…
     特に反対するつもりはない」



    さらりと言い放った後、注文した羊羹を口に入れる。

    「……本当に?」

    あまりのあっさりした口調に、紫草が思わず聞き返す。

    紫草の父親の人となりは、前もって聞いていたものの…
    目の前にして話をしてみると、その豪快というか、
    「竹を割ったような」性格だというのが、よく伝わってくる。

    「ん?嘘をついてどうする…反対して欲しいのか?」

    紫草がぶんぶん、と、思い切り首を横に振る。

    「それなら、反対する理由もない…
     種族だ寿命だって話は覚悟の上だろう」


    「うん…ありがとう」

    そんな2人のやりとりを見ながら、改めて…
    2人が強い信頼感や、親子の絆で結ばれている、
    という事を感じる。

    「…ありがとうございます」

    言葉でごちゃごちゃ伝える必要はないと思った。
    ただ…
    感謝の心を伝えねば、と。

    そう思った。
    深々と頭を下げ、再び「義理の父」となるその人の姿を見上げると。

    一瞬、にやり、という笑みのようなものが
    「義理の父」の口元に浮かんでいる事に気付いた。

    「礼を言うような事じゃない。それに…」

    「?」

    「やる事やっておいて責任を取らない方がよっぽど問題があるだろう」

    ごふっ。

    その言葉を聞いた瞬間…
    隣で、紫草が苦しそうにむせた。

    「…行儀が悪いぞ」

    「…大丈夫?紫草」

    とりあえず、持っていたハンカチを紫草に渡す。

    「だ…だいじょ…げほっ……
     ごほごほっ………けふっ…」


    「………」

    背中を軽くとんとん、と叩くようにさする。
    全く…

    ひょっとして、キミのお父さん………

    「……父様…
     もしかしてわざと私がお茶を飲むタイミングで言ってない?」

    「いや、偶々だろう」

    「………」

    紫草はじとっとした目で、父親を見つめている。

    が、「お義父さん」は、紫草のそんな様子を気にするでもなく
    残りの羊羹を口に入れ、悠然とお茶を飲んでいる。

    溜め息をつく、紫草。

    2人の様子を見比べて、思わず込み上げた笑いが
    止まらなくなってしまった。

    やれやれ………
    紫草。

    キミのお父さんには、2人ともかなわないかも、ね?









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