DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    3期687年3月
    2010-03-07 Sun 01:45
    「・・・っ!!父さん・・・!!」



    目の前で、ゆらりと崩れ落ちる父の姿。

    ・・・ブラッディウォームに吸血され、
    鮮血に染まった父の白い服が、さらに土色に変わる。



    3_687_03haiboku.jpg
    「しっかりして・・・父さん」

    「・・・・・・・・」



    エルクアールに戻った俺たちは
    急いで父の服を脱がせ、傷の手当てをする。

    足の骨折。
    そして、大量の出血による貧血状態。

    ・・・留歌と俺が回復術を繰り返した事で、
    何とか傷そのものは塞いだものの・・・
    キュアフラクチャーも、大きな回復魔法も持たない俺たちでは
    父の体を全回復出来るはずもなく・・・
    骨折の回復には、しばらく時間がかかりそうだった。

    荒い息遣いで、時折苦しげに眉間にしわを寄せる父。



    (どうして、あんな、無茶を・・・)



    らしくない戦いだった。

    いつも、冷静に敵の動きを読みながら
    無謀な攻撃は控え、的確に小さなダメージを与えて
    とどめを刺すスタイルの父。

    が・・・
    今日は違っていた。


    何かにとり憑かれたように、敵の懐へ突撃した。
    そしてその無謀な攻撃は、ことごとく躱される。
    隙を狙っているのではなく・・・
    ガードごと押し潰そうとするかのような、攻撃。

    躱されて当然だと言う事は、父も気付いていたはず・・・




    「・・・士、凰・・・」


    「気が付いた?・・・父さん」

    「・・・ああ。
     留歌は・・・?」

    「下の井戸に、水を汲みに行ったよ」

    「そう、か・・・」

    「どういうこと?父さん。
     ・・・どうして、突然逝者の谷に向かって・・・
     あんな無茶な戦いをしたんだ?」


    「・・・・・・・」

    「まさか、紫草と俺を会わせようとした、とか・・・
     そんな理由だけだったはずは・・・
     ない。よね・・・?」


    「・・・・・・・」

    「・・・らしく、ないよ。
     いや・・・
     そんな理由で動くのは、らしい、っていうべきなのかな」


    「・・・・・・士凰・・・・・・・」

    「だが・・・それだけじゃない。
     そうだろう・・・?父さん」



    苦しげな息遣いの中・・・
    いつもの優しげな微笑みで、俺の方を見る。



    「・・・そろそろ・・・
     強情を、張るのは・・・止した方が、いい・・・
     んじゃ、ないかな・・・」

    「強情・・・?」

    「・・・見て、いた・・・だろう?
     俺の、今回の戦い・・・」

    「もちろんだ」

    「・・・繰り返しちゃ、いけ、ない・・・」

    「・・・?」



    ・・・言い終えるや否や、父は静かに瞳を閉じた。



    「ご、め・・・少し・・・・・・・・・休む、よ」

    「ああ・・・」





    静かに休ませてあげようと、部屋を出た。

    ・・・強情?
    一体、何の話だ?


    「・・・・・・・・・・」


    いろいろと、心当たりを考えてみるものの・・・
    わかるはずがない。

    自分の部屋に戻り、届いたばかりの「殲滅の鳳凰」を見つめる。

    まだ血に染まっていない・・・
    鮮明な輝きをたたえる、爪。


    (・・・父は・・・俺に何かを伝えようとして
     あんな、無茶な戦闘を・・・?)


    わからない。




    ・・・その日、俺は一晩考えたが・・・
    結局それは睡眠時間を削るだけで、
    疑問は増していくばかりだった。





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