DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    3期687年1/2月
    2010-03-07 Sun 01:37
    父さんは、いつまでも・・・
    街の中へと去っていく、リラービスさんの背中を見つめていた。


    「いつまで、この世界に居られるかわからない存在」


    そんな、共通の思いが・・・
    2人を結んでいたのだろうか。
    だが・・・


    ・・・今となっては、聞く術もない。


    エルクアールにしばらく滞在して、リラービスさんと別れた後。
    俺たちは再び聖者の丘へ戻ってきた。

    またひと月ほど、そこで野営と宿への行き来を繰り返し・・・

    そんな中だった。



    「士凰、留歌・・・そろそろ・・・
     お別れみたい、だ」

    「え・・・?」

    「・・・」


    随分と急だな、という思いが頭の中をよぎった。
    とはいえ、来る時も急だったのだけど・・・

    ・・・帰りは告げるだけ、マシか。



    「・・・楽しかったよ。ありがとう」


    留歌が、みるみるうちにその大きな瞳を潤ませ
    父に抱きついていく。
    溢れる感情と、涙を素直に現す留歌。

    何となく、羨ましいような・・・
    気恥ずかしいような。

    そんな変な感じがして、俺は宿の外へ出た。



    (・・・・・・・・・・)


    いつになく、暗い夜。

    月は厚い雲にその輝きを消され・・・
    湿った空気は、細かい霧雨が舞っているものだと気付く。



    「・・・士凰」

    「父さん」


    ・・・振り返ると・・・
    いつもの穏やかな、優しげな表情で、父が立っていた。



    「お前に、渡したいものがあるんだ」

    「・・・・・・?」

    「俺が初めて手にした・・・
     爪の鍛冶職人が鍛え上げた武器。
     「殲滅の鳳凰」・・・

     槍の方は、俺が使っているから置いてはいけないが・・・
     爪の「鳳凰」は、お前に託そうと思ってる」

    「・・・なんだって!?」

    「・・・・・・大事に、使って欲しい。

     今、継承作業をお願いしてるから・・・
     お前の手元に届くのは、3月ごろ・・・かな」

    「・・・・・・」

    くすり、と小さく微笑む父。

    ・・・いつもの笑顔。



    だが、その笑顔の中に
    心なしか不安げな色が揺れていたのを
    ・・・俺は見逃さなかった。





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