DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    3期686年3月
    2009-12-03 Thu 14:23
    バルバシア城での別れから、随分と経った気がする。
    再び聖者の丘へと戻った俺は、そのまま紫草との旅を続けていた。


    ・・・以前一緒に旅をした時は、
    紫草のケガを気遣いながらの旅だったが、今度は違う。

    もっと、恋人らしく、甘い旅に・・・




    と、思っていたのは俺の「甘過ぎる」幻想だった。


    「紫草おねえちゃん、次はどうすればいいの?」

    「うん、留歌ちゃん。あのね・・・」


    隣で子犬のようにまとわりつく留歌をあやしながら(?)
    彼女にお菓子作りを教える紫草。

    戦闘を終えて、戻ってきて、宿でのんびり・・・
    というわけにもいかない日々が、共に旅をし始めて以来
    ずっと続いているような気がする。

    賑やかな声を尻目に、俺は窓際に座り、
    ぼぅっと窓の外の空を見上げていた。

    先ほどまで赤く、そして眩しく空を染め上げていた
    夕焼けの姿はとうになく・・・
    夜空は深い紫色に姿を変え、星が姿を現そうとしていた。


    (甘いもの、か・・・
     本当に女の子っていうのは、好きなんだね)


    やることもないので、傍らに置いてある弓や爪などの
    武器防具を取り出し、手入れを始める。


    やがて、甘い焼き菓子独特の、卵とバターと小麦の香りが
    部屋いっぱいに広がり・・・


    「わ!!出来た!?出来た!?」

    「ん・・・どうかな」


    火が使える簡易キッチン付きの大部屋を取ったとはいえ・・・
    限られた環境と材料で、よくぞお菓子を作れるものだ、と
    ある意味感心しながら振り返ると・・・


    「・・・ぁぁあああああ!」

    「!?」

    「何!?どうしたの!?」


    ・・・どすん、という鈍い衝撃音。
    そして・・・

    こちらの気が抜けてしまうような、独特の・・・


    「ご、ごめん・・・
     驚かせてしまったみたいだね・・・」


    「・・・・・・・・・」

    「彼らに1番近い「木」の存在を仲介して
     戻る、って話だったのに・・・
     どうしてこんなところに・・・」


    「・・・・・・・・・いや、ちょっと」

    「・・・ああ、そうか。」

    「?」

    「この宿、木造の家だからかな?」

    「・・・そういう問題じゃ無いと思う」



    ニッコリと恥ずかしそうに照れ笑いする
    「彼」
    の姿を、もう一度確認すると・・・


    留歌は大きな目に涙を溢れさせ、
    ベッドの上に人が落下したという
    ありえない状況を無視して、抱きついた。


    「・・・・・・おとうさん・・・!」





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