DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    1期689年5月?対峙
    2006-07-24 Mon 11:15
    旅は終わろうとしていた。
    ・・・が、仲間と別れた俺を待ち受けていたのは・・・

    今まで一緒に喜びや苦しみを分かち合った、かけがえのない人々の中の、一人。



    「アゼリアさん・・・!」

    俺は彼女の名前を呟くと、そのまま身動き出来ず立ち尽くしていた。
    ・・・Memento Moriとして共に戦った大切な「友人」・・・

    その彼女が、今、目の前に立ちふさがる。

    「・・・ど、どうしたんですか!?急に・・・て、うわっ!!!」

    飛んできた小さな雷を避けながら、俺は叫んだ。
    続けて、どうしてと問いかけようとした瞬間、彼女はこう言った。

    「戦闘開始時のセリフ: ラブラブカップル、撲滅!・・は、もういいの。でも、精霊界へ行く前に、一発殴らせなさい」

    ・・・。
    どういう事なのだろう?
    俺は何か、彼女に対してひどい事をしたのだろうか・・・
    いろいろな事が頭の中を一瞬で駆け巡る。
    さらに雷の欠片が俺を襲う。

    「ちょ、ちょっと待って下さいよ!俺は仲間と・・・貴方と争う気なんてな・・・」


    いや、そんな事は今まで何も無いはずだ。
    だが・・・もしかして。
    俺が気付かないうちに、俺は何か、
    アゼリアさんに対してひどい事を言ったのかも知れない。
    そんな考えが頭の中をぐるぐると巡っているうちに、アゼリアさんは言葉を続けた。

    「貴方の中に『父親』を見たから!」

    ・・・父親を!?

    ・・・そうか。
    その言葉を聞いて、俺は何となく、納得した。
    アゼリアさんはひょっとして・・・

    だが、これで何となくだが、このアゼリアさんから挑まれた戦いが
    ちゃんと「意味のある」ものである事が理解出来た。
    俺は・・・
    今はただ、躊躇せず、この人と戦うべきなのだ。

    「傷ならLiesaが治してくれるでしょ!」
    「ええ、そうですね」

    俺は少しだけ微笑んでみせた。
    この戦いを全力で戦う。
    Liesaが待っていてくれる。
    ・・・これ以上戸惑っている場合ではない。

    「アゼリアさん・・・こうなったら、俺も全力でお相手しますよ!!」

    だが、彼女のスピード、そして魔力は十分過ぎるほど知っている。
    目の前で成す術も無く倒されて行った者たちを、俺はこの目で見て来た。
    ・・・恐らくこの戦いも、俺が彼女の懐に飛び込む前に
    俺はあの強大な魔力によって召喚された「使い魔」によって
    地にひれ伏すに違いない。

    だが・・・
    そこで勝負を諦める訳にはいかなかった。
    きっと・・・俺の父親もそう思って、戦いの日々を送っていたに違いないから。

    諦めて、心まで屈してはいけない。
    例え勝負は決まっていたとしても・・・
    心まで負けてしまっては、それでは本当の敗北者になってしまう。

    俺は最後まで・・・自分を信じていたい。

    「アジタートはもういない・・・鳩?・・お姉ちゃんの、ニュクス・・!」

    アゼリアが・・・美しい魔術の「鳥」を召喚する。
    ・・・ニュクス。
    彼女は少し穏やかな表情でその鳥を見つめている。

    アゼリアさんの元へ斬りかかろうとする俺の元へ、美しいその鳥は
    煌めく羽を翻しながら立ちはだかった。
    槍を構え、俺は一瞬だけその鳥に目を奪われ動きを止めたが・・・
    そのまま構えていても、結局はなぶり殺されるだけだ。

    「こんな事をしても気休めにしかならないかしら?」

    彼女がマジックシールドを張るのがわかった。
    ・・・もう立ち止まっているわけにはいかない。
    過去の戦いから、彼女がファストマジックを唱え、一気に大きな魔法を
    放つイメージが頭の中に鮮明に浮かぶ。

    俺はただ、全速力で斬りかかっていった。
    ・・・その時だった。


    「これを止めたら貴方の勝ちよ。・・私も甘いわね。」

    ・・・どういう事だ・・・?
    鋭い嘴でニュクスに切り刻まれていく痛みを感じながら、俺の耳には確かにその言葉が入った。
    突然、視界が歪む。
    体中を気怠さが襲った。
    ・・・一体、この感覚は・・・

    いつの間にか、右手から槍が離れていた事に、俺は気が付いていなかった。
    そして、走っていると思っていた体さえも、いつの間にか
    大地にうつ伏せに這いつくばっていた。

    「さようなら・・・これは夢。次に気がついたときには・・・」

    一気に襲ってくるだるさと、重くなっていく体。
    意識が薄れて行く中・・・
    俺の頭の中にはアゼリアさんの余りにも穏やかな表情と、
    優しい声の響きだけが残り・・・


    俺はそのまま、深い眠りに誘われ、倒れていた。




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