DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    3期683年7月
    2009-03-30 Mon 22:09
    「待ってよ?、お兄ちゃん!」


    もたもたと上着を羽織りながら、まだ冷えた朝靄の中を足早に駆けてくる。
    宿での払いを済ませた俺は、既に宿の敷地を出た所だった。
    とはいえ・・・

    「・・・・・・・・朝から大声を出すな。お前の声はよく響く。
     他のお客さんは、まだ寝ている時間なんだから
     苦情でも来たら、宿の女将さんに悪いだろう?」

    「だってぇ?・・・」


    ムッとした様に頬を膨らませ、留歌がこちらを見つめる。



    「・・・お兄ちゃん、昨日は帰るのすごく遅かったくせに・・・
     どうしてそんなに寝なくて平気なの?」

    「・・・お前と違って、常に戦闘に備えているからな」

    「・・・・・・・・」


    帰って来たとき・・・既に留歌は熟睡していた。
    俺が帰って来た事に気付いたこと自体が、奇跡的だ。

    そんな事を考えていると、それを察したのか
    留歌の不機嫌な表情が、その頬をさらに膨らませる。

    「どうせ私は、未熟者ですよ?だ・・・」

    「・・・・・・・・」


    とぼとぼとついて来る留歌を尻目に、俺は昨夜出会った
    「彼ら」の事を思い出していた。


    (フェリックス・オランジュと・・・マリエル、という女性・・・)

    強烈な存在感を放っていた。
    ・・・恐らく、この大陸の戦争に参加する為に訪れていたのだろう。
    場所が場所でなかったら、敵味方として遭遇していたかも知れない。

    そう思うと、多少なりとも背筋がゾッとする。


    (実戦経験が少ない今、彼らと戦う必要のない場所で
     出会ったのは・・・幸運だった)

    だが、気になったのは、マリエルという女性の・・・
    「瞳の色」。


    (紫水晶・・・アメジストの瞳・・・)

    それは、沢神一族の「退魔業」を宿業として背負う者に現れる・・・
    「天命の証の1つ」。


    (まさか、偶然とはいえ、同じ色を持つ者と出会えるだなんて
     ・・・思ってもみなかったな)

    父・士皇の話によると、この瞳の色を持つ者は一族の中でも少なく、
    士皇と風火の兄妹2人共に現れる方が、稀な事だったらしい。

    現に士凰の瞳には、色濃い紫水晶の色が現れているが
    留歌は深いグリーンで、精霊の血の方が強く現れていた。
    (精霊の血が強くても、「精霊の宿業」に縛られる可能性はあるのだが)


    (・・・あの女性は、東方の人間ではないようだから
     恐らく沢神家とは何の関係もないだろう・・・
     この大陸には、世界中からいろいろな国籍の人間が集まっているし・・・)

    広大なイブラシルの地。


    既に俺も留歌も、遊軍兵士として戦争に参加する手続きを済ませている。
    この先、一体どんな戦いが待っているのか。
    そして・・・
    どんな人間達と関わりあう事になるのか。

    不安と高揚感を感じつつ、歩みを早める。





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