DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    「DK3」第3期開始?別れと出発の日
    2009-03-25 Wed 22:11
    精霊界での別離の後、俺と留歌はイブラシル大陸を離れて
    再びアストローナを訪れていた。

    ・・・が、故郷であるライカには戻らなかった。

    父と母・・・それから俺と留歌、全員が一緒に
    幸せに暮らしていたあの家は・・・




    もう、無くなってしまったのだから。


    「ねえ、お兄ちゃん・・・」

    「・・・何だ?留歌」

    「お兄ちゃんには・・・好きな人って、いるの?」

    「・・・・・・・・・・・・何だ、いきなり」


    アストローナの小さな港町にある宿場で部屋を借り、その日の暖を取っていた時。
    ベッドの上でごろごろとくつろいでいた留歌が、唐突に聞いてきた。

    16歳か17歳かになった妹だが、まだまだ子供・・・
    と思っていたら、そういう話をするようになったのかと思い
    ・・・少々戸惑った。


    「・・・いないよ」

    「ふうん」

    「・・・・・・・・・・・・・・・・・それがどうした。
     聞くだけ聞いて・・・気持ち悪いじゃないか」

    「お父さんと一緒に、私たちも旅していたじゃない?
     お父さんのお友達って・・・カッコいい人いっぱいいたよね。
     同じメンバーの、リグさんとか。TGさんとか。
     人斬りのお仲間さんだったら、ほら・・・誰だったっけ?
     狼さん、って呼ばれてた人とか。
     アレクさんとか・・・ヴィアさんって人とか、眞さん、って人とか・・・」

    「・・・お前には一体、何人好きな人がいたんだ」


    そう、ツッコみ、呆れた顔で留歌を見つめる。
    どうせいつもの通り、本当に言いたい事とは違った事を先に言ってしまい、
    慌てて言い直すのだろうが。

    「違うのっ!カッコいいな、って思ってただけで・・・
     好きとは違うよ!」

    「・・・・・・・・・・」

    「違うの・・・今、とっても悩んでる事があるの」

    「・・・何を?」


    もじもじと、恥ずかしそうに俯く留歌。
    全く、恥ずかしいのなら聞かなければいいのに。

    「どうやったら・・・お父さんとお母さんみたいに、
     心の底から愛して、信じ合える関係が築けるのか、って・・・

     ・・・私も・・・いつか、そういう人と出会えるのかな?って・・・」

    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外で、風に当たってくる」

    「ちょっと!!!お兄ちゃん!?無視!?」


    無視するに決まっている。
    ・・・何かと思えば・・・


    そんな、くだらない事か?


    「・・・・・・・・・・・・・」

    暴れる(?)留歌を部屋に放っておき、俺は1人、宿場の庭に出た。

    (・・・・・・・・・そうさ。くだらない)


    父と母が、お互いを大事に思い、愛し合い、信じ合ってるのは
    素晴らしい事だと思っている。
    そして、そんな2人を・・・両親を誇りに思っている。
    だが・・・


    (俺には、わからない・・・)

    生涯、唯一の大切な人を持つ事は必要かも知れない。
    だが・・・
    それが元で、生み出される苦しみや、苦悩がある。

    父は・・・常に苦しんでいた。

    そんな苦しむ父を、痛みに苛まれる父を、いつも傍で見て来たのは自分自身だ。
    助けてあげたかった。
    だが・・・

    父が苦しむたびに、見ている事しか出来ない自分がたまらなく情けなかった。

    (けれど・・・)

    そんな父が、羨ましくもあった。
    自分の、全身全霊を賭けて。
    自分を犠牲にしてまで、誰かを大切に思う事の出来る父。



    (俺は・・・?
     そんな風に、誰かを、愛する事が出来るのか・・・?)


    留歌が聞いた言葉が、胸にちくりと突き刺さったままだ。

    「好きな人って・・・いるの?」


    (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)





    立ち尽くし、じっと、右の掌を見る。

    何も失いたくない。
    ・・・だから、最初から、持たない。
    そうすれば、自分も相手も苦しむ事は無い。





    二度と帰らぬ、ライカでの幸せな日々を想いながら・・・
    流れる雲と夕日に染まる紅の空を見上げていた。





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