DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    2期694年3月?旅の終焉
    2009-03-13 Fri 14:37
    長かった旅が、遂に終わりの時を迎えた。



    コアラやTG、紅輝は既にこの地を離れ・・・
    柏風もまた、ランと共に2人旅立っていった。

    リグとミケルさんの結婚式が終われば・・・俺もまた、この地を離れる。



    Liesaの元へ戻る為に・・・



    ほんの数日の間ではあったが、俺たちは家族水入らずで過ごす事が出来た。
    父さんが見つけて来た「うさぎのぬいぐるみ」は・・・
    本物だった。

    賭けに勝った父さんは、これで晴れて、母であるLiesaと共に
    長い時を精霊界で過ごす事を許された。


    だが・・・

    それは、俺たち家族が、再び引き離されるという事を意味する。




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    俺たちは精霊界の入り口に立っていた。

    だが、母であるLiesa・・・
    そして何年か前の再会の時にはいなかった、俺たちの妹・・・Lineの姿は無い。

    Lukaが別れ難くなるかも知れないから・・・と、
    父が途中で2人を精霊界に戻したのだ。





    「・・・送ってくれてありがとう、父さん」

    「お母さんにも、Lineにも、「いつかまたね」って伝えておいてね?」


    小さな声で、留歌が父に一歩歩み寄り・・・呟くように、そう言葉を紡ぐ。

    「・・・・・・・・・。
     じゃあ、これで・・・


     しばらくのさよならだ。士凰。・・・留歌」

    「・・・・・・・・」

    「・・・心配するな。精霊界の扉は不定期に開く。
     今度は数日後かも知れないよ?」

    「・・・何十年後、だったら?」

    「・・・大丈夫。絶対に、すぐまた、会えるさ」


    そう優しく、父から穏やかな言葉を投げかけられた留歌の目に、
    抑えきれなくなった感情と共に、涙が溢れて来た。


    「・・・お父さん・・・お母さんに、もうひとつ、伝えて。
     私たちは、しっかりと自分の足で・・・この地で生きていけるから、って
     心配して・・・泣いたりしちゃダメだよ、って」

    くすり、といつもの・・・人斬りらしからぬ優しげな微笑みを浮かべて、
    必死で寂しさを堪え、気遣いの言葉をかける留歌を、父が抱き寄せる。


    「・・・留歌、精霊界の扉が開けば・・・
     俺たちはその時にまた、自由に会えるんだ。・・・そう約束している。
     だから、これが永遠の別れになるわけじゃないんだよ?」

    「うん・・・わかってる。
     でも・・・」

    「大丈夫。すぐにまた、会おう・・・
     きっとだ。

     Liesaも・・・お母さんも、俺も・・・待ってるよ」

    「おとうさん・・・」


    留歌の頬に、優しくキスをする。
    そして、父さんは俺に目線を合わせた。


    「士凰。・・・それから、留歌。
     行く先や・・・その他の事。これから全てはお前だけで考えるんだ。
     もう、俺やLiesaの手は要らない。

     長い間・・・俺はお前達と共に旅をした。
     そして、全てを伝えたつもりだ。

     戦いの術・・・
     生きていく為に必要な事・・・


     ・・・お前達は、もう一人前だ。」

    「・・・ああ」


    俺は何も言わず、ただ頷いた。

    父は・・・心配性だから。
    何も言わない方がいい。


    「・・・・・・・・」


    父が背中を向ける。


    「・・・おとうさん・・・!!」

    「扉が・・・閉じられる。・・・これでしばらくの間・・・
     何ヶ月か、何年か・・・
     
     それまで、元気にしているんだよ。士凰・・・留歌。」

    「・・・・・・・・っ!!」


    留歌が父の元へ駆け寄ろうとするのを、制止する。
    近付いてはいけない。

    何となく・・・そう、思った。

    ・・・父の背中が・・・少しだけ、震えているように見えたから。




    「・・・・・・・・さよなら。俺の、大事な子供たち。


     2人を・・・ずっと、愛してる。
     最期まで・・・見守ってやれなくて・・・


     ごめんよ」



    「・・・・・・・・・・おとう、さん・・・!」


     

    ・・・父は扉が閉じるまでの間・・・1度も振り返らなかった。

    徐々にその姿がおぼろげになり・・・
    やがて精霊界の扉が、周囲の森と同化すると同時に、父の姿も・・・消えた。

    扉は再び、閉ざされた。




    「Elios兄さん・・・!」

    「泣くな、Luka・・・泣いたら・・・父さんと母さんが心配する」

    「だって・・・だって・・・!!」

    「心配させちゃ、いけない。
     ・・・もう、俺たちは・・・父さんや母さんに頼ってはいけないんだ。

     ・・・そう、決めただろう?」

    「うん・・・うん・・・!!でも・・・でもぉ・・・・・・・・っ!!」



    声を殺して泣く留歌を抱き締めながら・・・
    俺はただ、立ち尽くしていた。



    まだ冷たい風が、髪を揺らめかせる。

    月はただ・・・
    残された俺たちを照らし出していた。



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