DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    2期690年1月/PKT敗北
    2008-03-14 Fri 14:53
    その日、MMメンバーの全員は・・・

    表現の形こそは違えど、トーナメント戦の1回戦突破を目指して
    それぞれが静かに闘志を燃やしていた。

    リグとTGは、お揃いの・・・不思議な?コスチュームを身にまとい
    コアラは珍しく

    「トーナメント優勝すっぞ! 」


    と、その決意を言葉に表していた。
    そして柏風も・・・気持ちを決めた様子で
    胸に手を当てながら

    「大丈夫・・・大丈夫だよ。
     このキモチはまだここに。

     大切なの・・・だから、この手で守って見せるよ! 」


    と、笑ってみせた。

    「さあ、行こうか!
     ・・・相手がどんな相手だろうとも、
     襲撃されたら勝つしかないのが、MM・・・だろ?」
    最初に動いたのは、柏風だった。

    そして、そんな彼女を追うように・・・俺たちは前方へ駆ける。
    だが・・・

    その先に広がっていたのは・・・



    「悪夢」そのものだったのかも知れない。





    1人先を行く柏風を無視し、柏風のパラライズを受けた
    いくらさんが麻痺して倒れる。

    が、そこに・・・サイケデリック雑技団の柚さんが
    ゆっくりと、俺たちの前に立ち塞がった。

    「・・・!?」

    「よくわからない・・・・けど・・・・諦めて・・・。」


    突如。俺たちの目の前に現れたのは、柚さんの使い魔。

    「・・・ぐああっ!!」


    短い叫びと共に、TGがその場に倒れる。
    それは・・・

    警戒していた、麻痺の効果。

    そして・・・俺の体も。
    力が全身から抜け落ちるのを感じた瞬間、地に倒れる。

    「・・・っ!!」


    動けない体で、必死に顔だけを起こす。

    コアラ。
    そしてリグ。

    ・・・紅輝。

    一歩出遅れた俺たちは・・・
    前線へ飛び出した柏風を除いて、全員が麻痺し、倒れていた。

    (ばっ・・・バカ、な・・・!!)

    (5人が、5人とも・・・
     麻痺させられるなんて・・・!!)


    必死で起き上がろうとする俺の視界に
    ふらり、と男が入って来た。

    「沢神とかいう男は手前ェか?会いたかったぜ」

    「・・・?・・・貴方は・・・ジャンク、さん?」


    そう。それは対戦相手のジャンクさん、という人だった。
    一瞬ニヤリ、と笑ったような表情を浮かべたが・・・
    その瞳には真剣な光が宿っている。

    「初対面のうえ、別に個人的恨みもねェけどよ。」

    「・・・」

    「手前ェの存在自体が気に入らねェ」


    必死で体を起こそうと試みる。

      危  険  だ

    頭の中で、その言葉だけが乱反射するように繰り返される。
    ここで起き上がらなければ。
    今すぐ反撃の態勢に入らなければ・・・

    やられる。

    「理由なんてねェよ。

     強いて言うならば、俺様のオツムが
     生理的に受けつけねェだけさ」

    「・・・なっ・・・!」

    「というわけで、だ。」


    ジャンクさんの体中の「気」が急激に漲るのを感じた。

    (・・・まずい・・・!!)

    (動け・・・動けっ・・・!!!)


    うつ伏せに倒れたまま、それでも立ち上がろうとして
    指先を震わせる俺の姿・・・

    何とも無様な姿だったのだろう、と思う。

    だが・・・
    そんな俺をさらに嘲笑うかのように、
    ジャンクさんは至近距離から・・・弓を構えた。

    「手前ェの泣いて土下座する様を
     義理のアネキに報告してやっから、
     
     おとなしく喰らいやがれ!」

    (・・・義理の・・・姉?)

    「ま・・・待て!」

    「?」


    何とか、全身の気力を振り絞り、立ち上がった。
    そして、問いかける。

    「姉、とは・・・一体何の事ですか?
     俺は貴方とは初対面で・・・
     まして、貴方の義理のお姉さんの事など・・・」

    「・・・」

    「せめて、名前、だけでも・・・」

    槍を構えることすら忘れ、俺は問うた。
    そして弓を構えたままジャンクさんは吐き捨てるように、呟いた。

    「アネキの名前?


     袖川梅つーんだ。」


    俺の記憶は・・・そこまで。

    立ち上がった俺の全身に、ジャンクさんが放った矢が突き刺さる。
    至近距離での攻撃は、激しい衝撃を俺に与え・・・
    必死で致命傷を躱そうと、体を動かした事までは覚えている。
    そして左手の骨が、鈍い音を響かせた事。

    遠ざかる意識と、崩れる体が地に着く瞬間・・・
    俺の頭の中に、ジャンクさんの言葉が聞こえていた。

    「知らねェとは言わせねェぜ●モ野郎ー!」




    ---------------------------------------------------------------------

    ・・・目が覚めると、そこは何処かの宿の中で・・・

    恐らくコアラとTGが回復の術を施してくれていたのだろう。
    全身を包帯に巻かれてはいたが、左手の骨折も、
    全身に刺さったはずの矢の痛みも・・・
    消えた訳ではなかったが、何とか動ける程度にまで回復していた。

    そして、その後話を聞いたが・・・
    俺たちは敗北したらしい。

    (トーナメントに賭けてくれていた人には悪いが・・・
     まあ、賭けなんて所詮はこんなものかも知れないな)


    苦笑いしながら、そんな事を考えてみる。

    しかし・・・
    気になるのは、ジャンクさんの言葉だった。


    「袖川 梅」


    一体、誰なんだろう。

    俺は・・・

    その名を、知らない。







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