DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    癒えない記憶 -風火(2)
    2008-03-05 Wed 16:01
        癒えない記憶 ?ep.2




    「士皇!!」


    突然、外への扉が開いた。

    「・・・父さん!!」


    風火がいない、と父にそのことを伝えようとしたが、
    父は既に何かを悟り、戻って来たらし い。
    士皇を前にして、珍しく表情を歪めている。

    ・・・こんな父は、初めて見るかも知れない。

    「・・・風火は・・・いないようだな」

    「父さん!俺が起こしに行って、すぐのことだった」

    「士皇!母さんと2人で、ここを動くな」

    「あっ・・・父さん!」


    父はすぐさま外へ飛び出した。



    「・・・父さん・・・一体何が・・・」


    だが、士皇は心に・・・不安な予感を、感じていた。

    -----------------------------------------------------------



    「ねえ・・・こっちは、行ったら危険だよ」

    (・・・)


    風火は男の霊と共に、段々と暗くなる森の中に踏み行っていく。

    「貴方の体はここには無いよ。
     だって・・・ここには「魔物」の気しか 感じない」

    (・・・)


    男の霊は、しかし、ためらう風火を先導するように奥へ、奥へと進んでいく。

    「・・・」

    (もっと、奥です)

    「・・・」

    (・・・?どうしたんです?)

    「ごめんね?
     ・・・これ以上進んでも、アタシは貴方を助けられない」


    遂に風火は立ち止まってしまった。
    否・・・これ以上、進めなくなったのだ。


    ・・・周りの凶悪な「魔」の気配に、
    体が言うことを利かなくなりだした。
    これ以上進めば・・・恐らく邪悪な気に完全に負け、
    二度と森から出られなくなる。

    (僕は・・・やはり助からないのですね)

    「ごめんね。今の力程度のアタシじゃ、無理なんだ・・・」

    (・・・)

    「大丈夫、今ならここから戻れるから。
     戻って、お父さんに頼んであげる。
     アタシのお父さんは、とっても強い力を持ってるから」


    と。
    風火が森の外へ出ようと、その場を離れようとした瞬間であった。

    (あああ・・・)

    「!?」

    (待って・・・待ってください!行っちゃ駄目です!!
     アナタがここから出ては・・ ・ 僕の魂は・・・!!)

    「何!?」


    その瞬間、風火の両目に飛び込んだものは・・・

    (ぎゃあああ・・・死にたく・・・
     死にたくないいいいっ・・・!!)


    どす黒い、汚泥のように周りをドロドロと取り囲む邪悪な気。

    (ひどい・・・ひどいじゃないか・・・!!
     あんたは「この娘」を連れてくれば
     僕の魂を解放すると、約束したじゃないか!!)

    「!?・・・アタシを連れて・・・?どういうこと!?」



    《キサマノコト ナド シッタコトカ・・・》


    「・・・!!」


    《コノムスメ ヲ ツレテキタコトハ ホメテヤル・・・》

    《ダガ モクテキ ガ ハタサレタ イマ 

     キサマナドニ ヨウハ ナイ》




    (いやだああ??っ!!死にたくないいいい・・・)

    「ああっ!!」


    男の霊を、黒い塊が包み込む。
    ・・・即座に男は、黒い気に飲み込まれ・・・

    そして、気配を断った。


    「何て事を・・・!」

    《キサマガ アノ ニクキ 

     『マウ=ルシファード=ヤーナ』 ノ ムスメ・・・》

    「・・・っ!」


    いつの間にか、風火は周り全て・・・
    上空をも「黒い気」に囲まれていた。

    軽く咳き込む。
    ・・・余りにも邪悪な気に当てられて、
    風火は完全に体の自由を奪われていた。

    ・・・今まで数多くの「魔」を見てきた風火だったが、
    「退魔」の経験は無い。
    まして・・・
    これほどまでに巨大な「邪気」と対峙することが初めての、
    13才の少女にとって・・・

    どれほどの恐怖と苦痛を全身から引き出しているか。

    しかもこの邪悪な気は、風火を呼び出す為だけに、
    わざわざこの、「善良な男の魂」を利用したのだという。

    一体どうしてそんなことを・・・?
    そう、意識を保つことだけで精一杯の風火に、邪悪な気が語りかける。

    《ワレハ カツテ マウ=ルシファード=ヤーナ ニ

     封印 サレシモノ》


    「マウ・・・?アタシは・・・そんな人、知らない!!」


    《シッテイル・・・ ソレ ハ オマエ ノ 
     
     チチノ 名・・・》


    「!?」


    《マウ=ルシファード=ヤーナ ハ・・・

     天界 ノ 魔討将軍 ノ ヒトリ・・・》


    (何なの・・・?)

    (これは、一体・・・!!)




    癒えない記憶 ?ep.2    了








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