DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    癒えない記憶 -散逝花(3)
    2008-02-02 Sat 08:47
    「うわあああああん!」

    「こわいよおお!」


    ・・・それは、幼い子供の叫び声。
    1人は3歳くらい・・・もう1人はその兄のように見えるが
    やはり幼く、5、6歳くらいに見えた。

    「やめろ!子供には手を出すな!!」

    「・・・まだ、生き残っていやがったか」



    ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべたまま、男たちが
    2人の子供を突き飛ばして、床に転がした。
    痛みと恐怖で、泣き叫ぶ、子供たち。

    「どうします?」

    「いいんじゃねえか?殺しちまっても。
     騒ぐとうるせえだけだ」

    「やめろ!!・・・貴様ら・・・
     そんな事をしたら、絶対に許さない!」


    必死に叫んだ言葉を、言い終えるか終えないかで
    俺は両側を押さえつけられていた男2人に、さらに
    床に押し付けられた。

    ・・・顔にぬるり、とまだ乾ききっていない
    他人の血液の感触が伝わる。

    「・・・ぐっ・・・」

    「てめえは自分の心配でもするんだな」


    背中に、何かひやりと冷たいものが当たった。

    「!!」


    瞬間。
    びり、と一気に衣が引き裂かれる音が、辺りに鈍く響く。
    背中が露になり、ひやっとした空気が直接肌に触れる。
    そして、両腕と肩を押さえつけられ、身動きの取れなかった体が
    突然もの凄い力で引き起こされた。

    掴まれた髪の毛を引っ張られ、無理矢理・・・
    顔を上向けさせられる。
    目の前には、いやらしい笑いで口を歪ませる男たちの姿。

    「・・・暴れんなよ・・・」


    その言葉を聞き・・・
    ようやく俺は、これから自分の身に降り掛かろうとしている事に気付いた。

    周りから耳苦しい程に聞こえてくる、幾つもの荒い息。
    汚らしいとさえ感じる・・・欲望の音。

    ・・・それと同じ行為を?

    (これが・・・)


    俺はここに来る前まで・・・
    誰かの役に立ちたかった。
    恐ろしい魔物たちから、人々を守りたいと思っていた。

    だが、今ここで起こっている事は
    「魔物」の仕業ではない。

    自分が、命を賭けて守りたいと・・・
    父のように、誰かを守る為に戦いたい、と・・・
    そう願っていた

     同 じ 「 人 間 」 の 姿 。


    「諦めろ・・・」




    守りたい?

    誰を?


    人間を?


    こんな奴ら、を?




    父のように



    父のように






     ・ ・ ・ 何 故 ?








    「あああああああああああああっ!!」


    獣のように、叫んだ自分の声を・・・
    何処か遠くで感じた瞬間。

    俺を押さえつけ、体中を這いずり回っていた
    鬱陶しい指先たちが、離れた。

    「なっ・・・何だ!?」

    「わ、わからねえ!いきなり・・・
     こいつの体が、ものすごい力で・・・」


    ゆらりと、体を起こす。
    もう、心の中の、何もかもが混乱していた。
    が・・・
    そんな薄らぐ意識の中、ただ強烈に残っていた
    ひとつの「意志」。

    ・・・それは。


    「ぅああああああああああっ!!!」


    再び絶叫と共に、俺は退魔の力を指先に込めた。
    決して人には使ってならない・・・

    「魔物を退ける」力。

    人に、使っては、ならない?


    死んでしまえばいい。

    守りたかったもの。

    俺が守りたいと思ったもの。

    違う・・・


    違う。


    違う。


    違う。


    違う。


    違う。


    違う。


    違う。


    違う。


    違う。
    違う。
    違う。



    こいつらは





    そんなものなんかじゃ、ないじゃないか。






    (第3話・了/4話へ続く)





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