DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    2期689年5月
    2008-01-10 Thu 00:00
    「んにぃ、当たりそうでなかなか当たらなかったMMなんだわ。
     ゲイっぽいというかガチゲイのは・・・今回はいないんかわ?_? 」

    そう、独り言を呟くように・・・
    フーリン=残世=ツヴァイルさんはとても人斬りとは思えない、
    のんびりとした口調で、こちらを向いて構えた。

    「あれ・・・モンスターじゃない。
     私が案内したわけじゃありませんからね」

    そう言って同じく隙なく構えるのは、フェルルさん。

    「誰が相手だろうと、することは同じか。
     ――私は、『ひとごろし』にしか、なれない。」

    すらりと、包丁(決して料理の為だけとは思えないものに見える)
    を抜き放ち・・・冷めた表情でこちらを見つめるフェレータさん。

    「こっそりばらすけど、この連中って結構適当らしいわよ」

    ・・・余裕さえも感じられる飄々とした言葉を紡ぎ、
    にこりとこちらを伺って戦闘体勢に入る、ミシュルリさん。
    そして・・・


    「来たわね....今日の私はちょっと違うわよ.....
     夜はもっと違いますが」

    美しい程残酷な笑みをたたえ、レネシスさんがこちらに
    視線を向けた。その微笑みはまるで・・・
    その名の通り・・・「天使」。

    「レネシスさん、なんだかよく分からないけど、
     すごい自信なのです!かっくいーのですーーー!!!」

    「シフォン・・・さん、前にでなさい!」

    隣にシフォンと言う使い魔?を従え、レネシスさんは
    ポーズを決めてみせた。

    (相変わらずだな・・・)

    その軽い口調に、一瞬目の前の戦いを忘れそうになる。
    だが・・・
    この襲いかかる・・・辺り一帯を飲み込むような「殺気」は本物だ。

    俺たちの目の前に立ち塞がるのは・・・
    この大陸の旅人や冒険者の間でも、知らないものはいないだろう。

    「暗黒天使」

    ・・・人斬り。
    すなわち同業者、である。


    「レネシスさん・・・」

    俺はその時、薄く微笑みを浮かべていた、と。
    後で人づてに聞いた。

    「いえ。今は何も言いません。
     全てはこの戦いが終わった後・・・

     ・・・来い!!」

    レネシスさんとは、長い間この大陸で友人として会話を交わして来た仲だ。
    だからこそ・・・負けたくなかった。

    「さて……覚悟はしていますね?今日の士皇は本気ですよ 」

    ニッコリと優美な微笑みをたたえながら、
    リグストラムが応戦の構えをとった。
    レネシスさんへの俺の反応を見て、何事か悟ったのか・・・
    俺の方にちらりと目配せをして。

    そして、もう1人。

    レネシスさんとの因縁を持つ者。
    紅の異邦人・・・紅輝。

    「強き者に挑むは我が楽しみ…
     強き者を撃ち貫くは至上の喜び………

     約束もある…全力で御主らを討つ! 」

    その真紅の瞳が、炎のように揺らめく髪の間から
    瞬く煌めきを放つ。

    「ふふ、今日はとっておきのステージだ! 」

    思わずTGが言ったのかと思わせる、コアラの台詞。
    162cmの小柄な体が、軽く踏み込み構えた。

    「君がくれった勇気は、タピオカパン!タピオカパン!」

    そしてTG。
    言葉はふざけたような口調だが、その表情には
    いつも以上に真剣な眼差しが宿っている。

    (・・・?)

    その時、ふと気付いた。
    柏風・・・

    ・・・瞳が潤んでいるように見える。

    (・・・)

    心当たりがあった俺の胸に、少しちくりと痛みが走ったが
    ・・・今はなによりも、この状況を打破するのが先決だった。
    柏風に声をかけようとした時。

    「・・・もうっ・・・こんな時に、邪魔なんかしてっ! 」

    目をごしっと拭い、彼女は夕霧を構えた。

    そんな柏風の様子を見て、少しだけ安心する。しかし・・・
    この戦いが終わったら柏風と話をしなければならない。
    俺は少しだけ未来の事を考えながらも、
    とにかくこの状況に集中しようと、再び相手に向き直った。

    そして、そんな最初の膠着を破ったのは、コアラだった。

    「今日は、TGを差し置いて!
     俺も歌っちゃうぜ!」

    一気に詠唱し、ディレイの呪法でフェルルさんの行動を鈍らせる。
    その様子を隙ありと判断したのか、紅輝が全員に連撃を浴びせようとして
    前線に1人突撃した。
    が・・・それはミシュルリさんに止められ
    これ以上は斬り込み不可と、いったん後方へ飛び退る。

    ところが紅輝が退いた瞬間だった。
    狙っていたと言わんばかりに、今度はフェレータさんが
    呪文の詠唱を開始した。

    ・・・長い詠唱。
    イヤな予感がする。
    さらに、同じく隣でツヴァイルさんが詠唱を開始した。

    が、その時。
    後方へ退がったはずの紅輝が、再び前に飛び出していた。

    「火遊びをしている余裕など無い筈じゃが? 」

    そして、ツヴァイルさんの正面に立ち、槍を突きつけ・・・
    ・・・ツヴァイルさんの唱えている呪文は、フレアだった。
    詠唱内容を看破されたツヴァイルさんは、持っていた得物を振り下ろす。

    ・・・同時に動いた使い魔により、多少のダメージを受けたものの
    紅輝は攻撃を躱して、再び後方へ下がった。

    さらにフェレータさんの詠唱を止めようと
    俺が続いて動いた、その瞬間。

    (しまった・・・!!速いっ・・・)

    「発動せよ、『月狂』」

    フェレータさんのルナティックエクスプロージョン。
    ・・・まさに月の光のような煌めきが、一瞬で体を突き抜ける。
    そして前線に飛び出そうとしていた俺は、
    真正面からその呪文を受け止める形になってしまった。

    さらに・・・その凄まじい衝撃は、俺を突き抜け、
    後方にいた仲間たち全員に大きなダメージを与える。

    「くっ、あ・・・」

    直撃を受けた俺は、その場に倒れ、頭を押さえて
    しばらくうめいていた・・・という。
    ・・・恐らく「月の影響」を及ぼす技を直撃した為に
    精神的にもひとときではあるが、何らかのダメージを
    受けていたのであろう。
    (その一瞬の事は、全く記憶に残っていない)

    そして、意識は取り戻したものの、
    俺が全く行動出来なかったその間。

    柏風とコアラはレネシスさんの攻撃で麻痺して
    同じように動けなくなっていた。

    リグが暗黒天使全員に斬り込んだ事と、TGが俺たちを守る為に
    「体力を上昇させる」為の呪を込めた歌を歌ったおかげで
    何とかその場を凌げたものの・・・
    突撃したリグはそのまま敵の魔法のターゲットとなり、
    戦闘不能の状態に陥ってしまう。

    (・・・くそっ・・・!!)

    動かなければ、流れはこちらへ傾かない。
    無理矢理、体を起こして立ち上がったが・・・
    その時俺は、焦っていたのであろう。

    今度は・・・ミシュルリさんの「怯懦」の歌が響いた。

    そして・・・今度はそれをまともに受けてしまったのである。

    「っ・・・あああああ!!!」

    目を閉じても、無理矢理目をこじ開けるように、
    直接脳内に流れ込んで来る思い出したくもない過去。
    ・・・怯懦の調べは、俺の「過去」の忌まわしい出来事を
    明確に映像化して、行動を阻害した。

    (や、やめろっ・・・!!)

    戦闘不能になり後方で倒れているリグ以外の全員も、
    その時同じように怯懦の効果で、怯えていた。

    そうして、俺たちはフェレータさんの使い魔、
    ノヴァストライク、ツヴァイルさんのフレア・・・
    抵抗出来ぬまま大きなダメージを受け続けた。

    脳内に流れ込む映像は消える事はなかったが・・・
    これ以上受け続けては危険だと判断した俺は、
    迷わず飛び出した。
    相手は・・・

    「誰に向かって撃とうとしていたのかは知りませんが
     ・・・絶対に、撃たせませんから。」

    フーリンさん。
    ・・・シルバーサイクロンの詠唱を止める為だった。

    だが、恐怖に怯えたままの体がそれ以上言う事を聞くはずもなく、
    そのまま俺は、傍にいたレネシスさんの格好の標的となる。
    そして一撃は受け止め、弾き返したものの・・・
    使い魔によってその隙を狙われ、俺は麻痺して行動不能になり
    続くフェルルさんの突撃で直撃を受け・・・
    再び倒れ込んでしまった。

    そんな無様な俺を尻目に、TG、柏風、コアラ、と続けて攻撃する
    フェルルさん・・・

    (もう・・・どうしようもないのか・・・!?
     だが・・・

     俺は、諦める訳にはいかない・・・!)

    麻痺し、動かない体を無理矢理起こそうとした、その時だった。

    「そんなの・・・させないんだからっ!」

    そう、凛とした響きの声で叫んだのは・・・
    柏風。
    そして、響き渡る・・・氷の輪舞曲。

    (アイス、レイン・・・!)

    まさに「氷の雨」。
    柏風の言葉に合わせて舞うように、美しく、冷たく輝く氷の飛礫が
    暗黒の天使たちを包み込む。

    「このわたしが まけるかも だと」

    ツヴァイルさんが・・・氷に包まれるようにして、地に伏した。
    続けてフェルルさんが。

    そして2人を道連れに、美しい氷の舞が終わろうとしたその直後。
    続けとばかりに、コアラの「光」が一気に天使たちに降り注いだ。
    光が、ミシュルリさんに飛び込んだ・・・

    が。
    残酷な光は、天使たちに飛び込んだだけではなかった。

    「うっくっ・・・ちょっと無理だった、かな・・・?」

    ・・・フーリンさんの、銀色の渦巻く光が・・・
    一瞬で柏風をまとい、そして・・・光が消えた次の瞬間には
    柏風はもう、立ってはいなかった。

    「・・・柏風!!」

    ほぼ同時に、TGと俺が彼女の名を呼び、立ち上がった。
    体はまだ麻痺していたが・・・
    これ以上、黙ってやられる訳にはいかない。

    立ち上がり、暗黒天使たちの位置を確認した時だった。

    「何じゃ?もう終わりか?」

    ・・・美しい、炎のような紅い旋風が目の前を過ぎた。
    そして、その真紅の衝撃は・・・
    レネシスさんを直撃した。

    「また少し、ヒトであった部分が無くなるのですね・・・・・」

    そう、虚ろな目で呟き、倒れ込むレネシスさん。

    (・・・レネシ、ス・・・さんっ・・・)

    続いて、立ち上がったTGが。
    さらにコアラが。
    「光」・・・再び、ヴァプティズマを放つ。

    「・・・これで・・・終わらせる!」

    遂に、麻痺の効果が体から消え去った事を感じた。
    俺はただ1人その場に残っているフェレータさんに
    突っ込んでいった。

    そして、槍を・・・何も考えず、ただ、振り下ろした。


    「・・・勝った、のか」
    「・・・」

    満身創痍。
    全員が傷を負っていた。

    ・・・勝利したPT、と言うには余りにも酷い有様。

    それでも・・・勝ったのだ。

    「激戦」を制したことを確認すると・・・
    俺たちはその場を後にした。





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