DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    1期688年9月
    2006-05-26 Fri 10:38
    吹き荒ぶ風の中・・・渓谷で、俺たちMement Moriと、
    機動殲滅隊 Unit01 “Marcia Funebre” の戦いは幕を開けた。



    「俺は、俺に出来る事をただ全力でやるだけ・・・
    あきらめてはそこで負けだ! 皆さん・・・絶対に全員で生き残りましょう!」

    俺は、そう・・・自分自身にも言い聞かせるように、叫んだ。

    ・・・機動殲滅隊 Unit01 は強い。
    彼らは歴戦の勇者だ。
    今まで築き上げて来た彼らの威信は、
    ここイブラシルに舞台を移しても色褪せる事はない。

    髑髏の紋章が、俺たちに重圧と畏怖を与えながら閃いている。
    凄まじいまでの、気迫。

    戦闘の前に彼らの総帥である、ロジェさんがメッセージをくれた。
    そこには「殲滅」の二文字があった。
    ・・・機動殲滅隊 Unit01 からの、最大級の「敬意」・・・
    その「敬意」に応える為にも、無様な姿をさらすわけにはいかない。
    ・・・槍を持つ手に、緊張が走る。

    「もう悩まない・・・!」
    いつの間にかそう呟いていた。
    「俺はMemento Moriのメンバー・・・必ず勝ち残ってみせる!」

    そしてアゼリアが高らかに召喚の言葉を詠唱する。
    戦闘はにらみ合いのこう着状態から、一気に加速した。
    「アジタート、私の盾となり矛となって!」

    続けて楓が密やかに呟く。
    彼女も何かを召喚するのだ。
    ・・・が、俺は招かれたその使いの姿に驚愕した。

    「・・・飛鳥・・・!?」

    俺が見間違うはずがない。
    それは・・・かつて、妹の風火とその親友・巫月 楓さんの傍らにいた・・・
    あの、神鳥・・・

    いや、いけない。
    今は目の前の戦いに集中しなくては。
    ・・・途切れかけた集中力を再び取り戻す。
    あの鳥の事については、あとで楓さんに聞けば良い。

    その時。
    相手の後方に控えていたキアラさんが、俺に向かって・・・
    何事か呟いたのである。
    それが何だったのかは、今はもう覚えていない。
    だが・・・それは明らかに、俺の正常な思考を狂わせるのに
    十分な「言葉」だった。

    そして・・・挑発に乗ってしまった俺は、一人で飛び出してしまった。
    この行動が皆を窮地に陥れる事になるとは、思いもしなかったのだ。
    いや・・・正確には、それを考える事すら出来なくなっていた。

    どす黒い、淀んだ空気が辺りを包み込み・・・
    あっという間に俺たちは全員が「毒気」に侵される。
    (くっ・・・!!)

    そして、ようやく前線で俺がまともな思考を取り戻した時には・・・
    既に殲滅隊総帥・ロジェさんの刃が俺たちの行動不能を狙うため、
    俺を含む全員の持ち手に痛烈な打撃を加えていた。
    そして、アゼリアにはバインディングが完全に決まってしまい、
    麻痺で行動不能の状況に陥っていた。

    続いてロロさんにバッシュを浴びた、トーニーまでもが
    行動を阻害され危機に陥っていた。

    このままでは完全に流れが向こうに傾く。
    まずは、この毒気を早く抜かなければ・・・
    そう思った、その時。
    スーロンが毒に耐え、神速のスピードで飛び出すと
    機動殲滅隊の次の攻撃手であった、苺さんのバッシュを止めた。
    そして・・・次の攻撃をも避ける。

    スーロンの鬼気迫る気迫・・・
    そんなスーロンを見て、俺たちは一瞬過りそうになった
    「敗北」
    の二文字を払拭した。

    そうだ。まだ戦いは始まったばかり。
    ここから押し返さなければならない・・!

    だが、ロジェさんに撃たれたダメージはそう簡単に抜けるものではない。
    スーロンは毒と連続攻撃の前に既に気を失い、後方に倒れていた。
    続くカシアさんのバッシュで楓さんが行動を止められた。
    致命傷になるような攻撃こそ寸前で避けられたが、
    バッシュのダメージは大きいらしく、
    楓さんは後方で苦しげに、かろうじて立っている状態だった。

    (いけない・・・!俺もみんなの元へいったん退かなければ・・・!)
    そう思った瞬間。
    俺のその一瞬の隙をつき、フェイルさんがバッシュを浴びせて来た。
    あまりのその早さに、受け身が取れず俺は完全に倒される。

    「ぐあっ・・・」

    地面に這いつくばったのは、どれくらいぶりだろう。
    それくらい、強烈な一撃。
    毒はまだ体に残っている。
    ・・・早く・・・早く立ち上がって、動かなければ!

    だがそんな中・・・
    彼女は一人、毒に耐えながら後方で静かに詠唱を続けていた。
    彼女の使い魔も・・・そう、いつの間にか敵陣に斬り込んでいた。
    ベルカナは、必死で魔法を撃つ機会を伺っていたのだ。
    俺も何も出来ないまま・・・こんなところで倒れたままではいられない。

    立ち上がり、槍を構えた。
    ・・・毒は動くたびに体にダメージを与えていったが、
    今はそんな事を気にしている場合ではない。

    (俺が例え自滅しても・・・あとは皆がやってくれる!)

    俺はそう呟くと、敵陣へ再び斬り込んだ。
    何としてでも・・・せめて、敵の行動を少しの間だけでも止められれば。
    あとはベルカナとアゼリアの魔法、楓さんの技が何とかしてくれるはず。

    そして・・・苺さんとキアラさんの2人を何とか痺れさせた俺は、
    仲間に全てを託した。

    「・・・楓さんっ・・・!!」

    続いて飛び出したのは楓だった。
    楓もまだ毒が抜けきれておらず、苦しげに額に汗を浮かべていたが・・・
    神技には気迫が込められていた。
    そして、その気迫の矛先は・・・
    殲滅隊総帥を補佐していると聞く・・・苺さん。

    まともに楓の攻撃を受けてしまった苺さんは、そのまま倒れる。
    そして、連続して攻撃に入った楓は、引き続きロジェさんに刃を向けた。
    苺さんを倒され(少し動揺したように見えた?)隙をつかれた
    ロジェさんも正面から楓の攻撃を受けてはどうしようもなく・・・
    その場に崩れ落ちる。

    一瞬にして中枢である2人を倒されたメンバーに、
    間髪入れずベルカナが詠唱中だった魔法・・・
    「エクスプロージョン」が衝撃とともに襲いかかった。

    「避けないで!」

    そう、叫んだベルカナの言葉通り・・・
    ロロさん、キアラさん、そしてカシアさんにエクスプロージョンが炸裂する。
    ・・・眩しいほどの煌めきは、一挙に3人もの行動能力を奪った。

    毒はまだこちらを覆っていたが・・・
    大丈夫。こちらはまだ、スーロンだけしか落ちていない。
    ここが正念場だ。
    そう思っていると・・・

    毒でうずくまっていたアゼリアが、ゆっくりと立ち上がった。

    「貴方、ちょっと動かないで!」

    そして、そう言い残すと、敢然と殲滅隊の方に向かって行ったのである。
    アジタートと共に。
    「とどめを刺す」
    ・・・彼女の瞳が、強くそう物語っているように見えた。

    残されたフェイルさんは、遂にアゼリアとその使い魔によって
    行動不能に陥ることとなる。

    崩れるように片膝をつき、俺は呆然としながら・・・顔を上げた。
    勝ったのだ。

    ・・・アゼリアが振り向き、皆に向かって微笑む。
    「以上でよろしいですか?」

    ・・・服もぼろぼろ・・・全員ケガだらけで疲労しきった表情だったが・・・
    そのアゼリアの台詞で自分たちが勝利したという事に、改めて気付いた。





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