DK3という定期更新型ゲーム内の舞台「イブラシル大陸」で旅をしていた「沢神」を名乗る退魔師の一族が、旅で感じた事などを書き留めてあります。
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    1期688年8月?ヴァルグ渓谷にて
    2006-05-23 Tue 13:37
    ヴァルグ渓谷での死闘を終え約一ヶ月・・・
    俺たちはこの地で、それぞれが思いのままに過ごした。



    全員が合流するまでの女性陣やスーロンさんの行動は・・・わからない。
    作戦計画時と戦闘時以外は皆と別行動するようにしていたから、
    皆も俺の行動を全く把握出来ていなかったと思う。

    さすがに女性陣と寝食を共にするには・・・
    あちらも気を遣うだろう。

    普段は俺はあの場にいない方がいいんだと思っている。
    ただ、やはり女性ばかりにして放っておくのも危険な気がするので
    すぐ駆けつけられるような状態にはしているのだが・・・

    ただ、スーロンさんは俺を除くと唯一の男性メンバーだ。
    俺は個人行動が多くて、申し訳ない気がする。
    だが、一緒に行動する事を誘うのもどうかなと、俺は思っている。
    スーロンさんはスーロンさんのやり方があるのだから、
    俺に付き合わせる訳にもいかない。

    ・・・いろいろ考えながらも、結局俺は渓谷の奥の方で
    ひたすら己を磨くべく修行に明け暮れていた。
    迷いを吹っ切る為。
    自分を見つける為。

    これから自分がどう生きて行けば良いのか・・・
    ただただ考え続けた。


    こうして渓谷で修行を始めて、随分日が経った。
    俺は定期報告も兼ねて、一旦メンバーの元へ戻った。
    すると・・・
    俺宛にいくつかメッセージが届いている、と手紙を渡されたのだ。
    幸いイブラシルもアストローナにも手紙を受け渡す職業の人間が多数存在する。
    数多くの冒険者たちは、それを有効活用していた。
    俺ももちろんその一人で、直接会いに行く場合もあるが、
    メッセージのやりとりのみで親交を深めている場合も多い。

    ・・・最近は、戦闘続きであまりこちらからは手紙を送らなくなってしまったが・・・

    俺はそれらを受け取ると、メンバーたちの様子が変わらない事を確認し
    再びその場を後にした。

    そして、人気の無い渓谷の奥へ戻るとそれらに目を通す。
    一通めは・・・

    「唐草さん・・・!」

    それは、かつて俺が同業者だと勘違いし、襲撃してしまった人からの手紙だった。
    そしてそこには・・・
    信じられない、と言ったら良いのだろうか・・・
    暖かい言葉の数々が書き連ねてあった。

    お互いにもう気にしないようにしよう、とも書いてある事に、
    俺は本当に何と言ったら良いのか・・・
    感謝の気持ちでいっぱいになった。

    ・・・そして読み終えて、俺は自分が暖かい感情に包まれている事を自覚した。
    自分を斬った相手に、こんな言葉をかけられる。
    そんな優しい唐草さんに俺は感謝と尊敬の念を感じていた。

    実は対戦した時に感じていたのだが、唐草さんには唐草さんの
    悩みがあったようなのだ。
    ケガをさせてしまった事へのお詫びと、
    奪ってしまったものを返却する相談に行った際に、
    その様子を見て何となく心配になってしまい・・・

    おせっかいかとは思ったのだが、俺は対戦後、再び唐草さんの元へ足を運んだ。
    そして、勇気を出して声をかけてみた。

    ・・・何の事は無い。
    ただ、「今まで生きて来たものが、これからの未来を否定する事は無い」
    と・・・短く言うと、そう伝えただけなのだが。

    言葉とは難しい。
    ただ、元気を出して欲しかった。
    過去よりも未来を大切に生きて行って欲しかった。
    それだけだ。

    ・・・ひょっとしたら、その言葉は俺が俺自身に言い聞かせる為に
    出た言葉だったのかもしれないが・・・
    少しでも伝わっていたら嬉しい。

    そう思いながら俺は唐草さんからの手紙を、大事にしまった。

    そして、もう一通は・・・
    俺が以前、工房で絵師業を営んでいた時に知り合いになった
    「悩ましのアルテイシア」さんからの手紙。

    彼女も人を斬る・・・いわゆる同業者だ。
    とても女性としての魅力に溢れた人で、絵を描くときも
    恥ずかしい話だが・・・緊張してばかりだった記憶がある。

    そこには、短いが・・・同業だからこそ、全てをわかってくれている言葉が
    書かれてあった。
    感謝の気持ちを込めながら、それを読み返し、懐にしまう。

    そして・・・
    最後の一通。
    見ただけでわかる。
    これは・・・特別な手紙。

    それは、機動殲滅隊の総帥・・・ロジェさんからの手紙だった。
    その象徴である「髑髏」の文様が、全てを物語っている。

    そう。
    ・・・俺たちはヴァルグ渓谷で、「死合い」をする事になったのだ。

    仕掛けたのは俺たち。
    そして・・・
    ロジェさんたちはそれに対し、最大級の「敬意」で応えてくれる事になった。


    何もかもが、俺たちよりも上手の機動殲滅隊。
    勝つチャンスは少ないだろう。
    だが・・・その少ないチャンスを逃さない戦いに持ち込めれば
    俺たちにも勝機はある。

    俺は、全ての手紙をしまうと、身支度を始めた。

    (仲間と合流しよう)

    戦いの日までにはもう間が無い。
    ・・・修行が足りない感じもするが、やるだけの事はやれたはず。
    あとは・・・

    俺が、俺自身をしっかりと保つだけなのだと思う。


     (イブラシル歴688年9月 へつづく)
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